療養型病院について

療養型病院とは

リハビリ中の患者と職員

療養型病院とは、医療療養病床の通称で、慢性期(病状が安定している時期)の患者さんを対象に、医療ケアやリハビリを提供する病床のことをいいます。

医療法によって病床は5種類に定められています。

01~03は特定の病気の方が入院する病棟です。当院は、04療養病床となります。

  • 01
  • 02
  • 03

特定の病気の方

  • 04
  • 05

それ以外の病気の方

長期間の療養を目的とした医療機関であり、手術や一時的な治療目的の入院ではないため、一般的に入院期間は数ヵ月から年単位となります。

「療養型病院」の入院対象者は、急性期病院での病気の治療を終え、病状が安定した慢性期の患者さんです。医師や看護師による医療的ケアを受けながら、ゆっくりと療養生活を送っていただく環境です。2006年から導入された医療区分に基づいた区分2・3の方を総患者数の8割以上、優先的に受け入れなければなりません。当院では医療区分1の方も状態に応じ、受け入れを行っております。

療養病棟入院基本料に係る医療区分について

医療区分3

疾患・状態
  • スモン
  • 医師及び看護職員により、常時、監視及び管理を実施している状態
処置等
  • 中心静脈栄養(療養病棟入院基本料を算定する場合にあっては、広汎性腹膜炎、腸閉塞、難治性嘔吐、難治性下痢、活動性の消化管出血、炎症性腸疾患、短腸症候群、消化管瘻若しくは急性膵炎を有する患者を対象とする場合又は中心静脈栄養を開始した日から30日以内の場合に実施するものに限る)
  • 二十四時間持続点滴
  • 人工呼吸器の使用
  • ドレーン法又は胸腔若しくは腹腔の洗浄
  • 気管切開又は気管内挿管(発熱を伴う状態の患者に対するものに限る)
  • 酸素療法(密度の高い治療を要する状態の患者に対するものに限る)
  • 感染症の治療の必要性から実施する隔離室での管理

医療区分2

疾患・状態
  • 筋ジストロフィー症
  • 多発性硬化症
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ三以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度の状態に限る))
  • その他の指定難病等(スモンを除く)
  • 脊髄損傷(頸椎損傷を原因とする麻痺が四肢全てに認められる場合に限る)
  • 慢性閉塞性肺疾患(ヒュー・ジョーンズの分類がⅤ度の状態に該当する場合に限る)
  • 悪性腫瘍(医療用麻薬等の薬剤投与による疼痛コントロールが必要な場合に限る)
  • 消化管等の体内からの出血が反復継続している状態
  • 他者に対する暴行が毎日認められる状態
処置等
  • 中心静脈栄養(広汎性腹膜炎、腸閉塞、難治性嘔吐、難治性下痢、活動性の消化管出血、炎症性腸疾患、短腸症候群、消化管瘻又は急性膵炎を有する患者以外を対象として、中心静脈栄養を開始した日から30日を超えて実施するものに限る)
  • 肺炎に対する治療
  • 尿路感染症に対する治療
  • 傷病等によるリハビリテーション(原因となる傷病等の発症後、三十日以内の場合で、実際にリハビリテーションを行っている場合に限る)
  • 脱水に対する治療(発熱を伴う状態の患者に対するものに限る)
  • 頻回の嘔吐に対する治療(発熱を伴う状態の患者に対するものに限る)
  • 褥瘡に対する治療(皮膚層の部分的喪失が認められる場合又は褥瘡が二箇所以上に認められる場合に限る)
  • 末梢循環障害による下肢末端の開放創に対する治療
  • せん妄に対する治療
  • うつ症状に対する治療
  • 人工腎臓、持続緩徐式血液濾過、腹膜灌流又は血漿交換療法
  • 経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養(発熱又は嘔吐を伴う状態の患者に対するものに限る)
  • 一日八回以上の喀痰(かくたん)吸引
  • 気管切開又は気管内挿管が行われている状態(発熱を伴う状態を除く)
  • 頻回の血糖検査
  • 創傷(手術創や感染創を含む)、皮膚潰瘍又は下腿(たい)若しくは足部の蜂巣炎、膿(のう)等の感染症に対する治療
  • 酸素療法(密度の高い治療を要する状態を除く)

医療区分1

疾患・状態 医療区分2・3に該当しない者
処置等

河北前田病院では、患者さんの身体や精神に負担がかかる過度な治療や、心臓マッサージ、気管内挿管等の延命措置は行いません。尊厳ある生を全うできるよう、患者さん自身の生きる力を下支えする為の医療的ケアを提供する方針としております。

療養病床と一般床の違いについて

療養病床と一般床は、病気の種類による違いはなく治療のステージ(段階)によって区別されます。治療のステージは大きく2段階に区別されています。

  • 療養病床


    療養生活を支援する病院


    治療のステージ
    • 慢性期
    • 病状が安定している時期
    設備・機器
    • 療養に必要な設備・機器のみ導入
    入院期間の目安
    • 基本的に数ヶ月~長期
  • 一般床


    今必要な治療を提供する病院


    治療のステージ
    • 急性期
    • 病気になり始めた時期
    設備・機器
    • 多くの機器や設備を導入
    • 検査室・手術室も充実
    入院期間の目安
    • 基本的に約2週間
慢性期

慢性期は、症状や徴候は激しくないが、治癒することが困難な状態が長期間にわたって持続する時期で、医師による管理や治療、看護が必要とされる時期を言います。こちらの目的は、時間をかけた療養となります。したがって、入院期間が数ヵ月~1年以上となるケースも珍しくありません。

急性期

急性期とは病気になって間もない時期や、病状が安定せず集中的な医療介入を要する時期のことです。一般的には入院や発症から14日程度を急性期といいますが、病状や経過により個人差があり入院期間は長くても1ヶ月程度です。

スタッフの違いについて

療養病床と一般床では医師や看護師の配置基準に違いがあります。一般床では医師や看護師の配置が多く、療養病床では少なくなり、その代わりに看護補助者の配置が必要となります。療養病床では治療よりも長期療養が中心となるため、看護師や看護補助者がケアの中心となり、患者さんの日常生活を支援しながら医療的なケアを提供する役割を担っています。

療養病床
(医療保険)
一般病床
医師 患者48人に1人以上 患者16人に1人以上
看護師の配置
  • 患者20人に1人以上
  • 患者25人に1人以上
  • 患者7人に1人以上
  • 患者10人に1人以上
  • 患者15人に1人以上
  • 病院機能により異なる
看護補助者の配置 患者20人に1人以上 規定なし
  • 療養病床の項目:医師以外は、診療報酬に基づき数字を記載